サトイモの植え付け方法を解説します。サトイモは種イモの上に親芋ができ、その周囲に子芋ができるため、成長に合わせて土寄せを行う必要があります。しかし、自然農ではできるだけ土を動かしたくないため、深めの穴を掘って、そこに植え付ける方法を紹介します。
種イモの準備
種イモは購入してもよいですが、比較的値段が高いので、前年の収穫したものを種イモとして保存しておくのが経済的です。自然農では初期の生育を肥料ではなく種イモの栄養に頼るので、大きくて栄養たっぷりの親芋を種イモにするのが好ましいです。親芋は一株に一つずつできるので、前年と同じ数を植えるのであれば、親芋だけで賄えます。数が足りなければ、子芋を使用することも可能です。
種イモの保存は、畑の空いているスペースに深さ50cm程度の穴を掘って埋めておきます。もみ殻を入れたり、雨除けを設置するなどの方法もあるようですが、埋めておくだけでも十分保存が可能と思います。5℃以下になれば腐ってしまうことがあるので、寒い地域は室内で保存する方が良い場合もあります。
下の写真は土に埋めるだけの保存したものを、今春掘りあげた種イモです。親芋から大きな芽が出ていますね。
植穴を掘る
種イモを準備したら、植穴を掘っていきます。
まず、畝の上の草を刈りって、畝間によけておきます。
次に、剣先スコップで四角く切れ込みを入れ、そのまま土を掘りあげます。掘りあげた土は、発芽後土寄せに使うため、穴の脇に置いておきます。このとき、植穴の底にしっかりと日が当たることが重要です。特に脇に置いた土の山の陰にならないように注意します。日が当たることで地温が上昇し、発芽、成長が促進されます。サトイモは大きな葉が展開するので、株間は50cmほど確保します。
なお、粘土質の土で水はけが悪い場合には、雨が降ると植穴に水が溜まってしまう場合があります。そのような場合には、種イモが腐ってしまう場合があるので、穴を掘らずに植え付ける必要があります。
下の写真は、植穴を3か所掘った状態です。植穴の中に日が当たっているのが分かります。中央の支柱は畝の中央の目印で、この後2条にしました。
種イモの定植の向き
植穴を掘ったら、いよいよ種イモの植え付けです。掘った穴の底をのこぎり鎌などでほぐし、宿根草の根だとがあれば取り除いておきます。そして種イモを植えます。芽が出る部分が地表から10cm程度になるように深さを調整します。
種イモの植える向きですが、逆さ上や横向きなどを推奨する本もあるようです。自然農では、穴の中で浅植えにした後、土寄せしておくので、上向きに植えても問題ありません。大きな親芋を植える場合、深さがかなり深くなってしまうので、そのような場合は横向きに植えてもよいです。ポイントは種イモの芽が出る場所の深さを一定(10cm)にすることです。
覆土と草マルチ
種イモを定植したら、掘りあげた土を少し崩して覆土します。種イモから芽がまだ出ていない場合には、2~3cm程度の厚さに土をかぶせておきます。芽が出ている場合には、芽が土から出る程度に覆土します。
そして、最後に刈った草を敷いて植え付け完了となります。下の写真は植え付け完了後の様子です。画面左下に土が露出しているところがあるので、後で草を足しておきました。
まとめ
自然農でのサトイモの植え付けを解説しました。自然農ではできるだけ土を動かさないため、土寄せを行う土の確保が難しい問題がありました。今回紹介した、植穴を掘る方法では、動かす土は穴を掘った分だけになるので、最小限に抑えることができます。また、親芋を種イモとすることで、無肥料でも初期の生育が良くなります。
植え付け、土寄せが終われば、秋の収穫までほとんど手がかかりません。自然農で育てたサトイモはねっとりとして滋味深く、とてもおいしいので、挑戦してみてください。
自然農についてさらに詳しく知りたい方は下記の記事を参照ください。