自然農の始め方 実践編 第1回 開墾

新たに畑を借りることができたのですが、しばらく耕作放棄されており、かなり荒れた状態になっていました。このような場所から自然農の畑にしていくまでの過程を発信していこうと思います。

筋書きは無く、どのような展開になるか想像がつきませんが、この畑から無肥料、無農薬で野菜が収穫できるようになるまで連載していきます。

目次

開墾前の状態

開墾前の状態は下の写真のようにセイタカアワダチソウ、笹、アメリカセンダングサなど、背が高く荒々しい感じの草が茂っています。生えている草により土の肥沃度を判別する方法はこちらに記載していますのでご参照ください。

前にこの畑を使用されていた方が、どのような農法で耕作されていたかわかりませんが、しっかりと耕うんされていたのではないかと思います。耕うんすることで土中の生態系が破壊され、微生物を介した生命循環が損なわれたため、肥料を施さないと作物が育たない状態になっていると思います。

しかし、セイタカアワダチソウのように少ない養分でも大きく成長することのできる草が生えることにより、自然の力で次第に地力が回復していきます。今回開墾することにより、これらの草の有機物を最大限活用するとともに、その後生えてくる草がどのように変化していくか、観察していきます。

開墾方法

開墾と言っても元々畑だった場所なので、草を刈りはらうだけです。私はマキタの電動刈り払い機を使用しています。電動のメリットはエンジン式に比べ音が静かで、燃料の取扱いが不要なことです。一方、デメリットとしては、馬力が弱く太くてかたい草が刈れない場合があります。また、電池の寿命があまり長くないため、広い面積を刈る場合には、予備の電池が必要になる場合があります。今回は2個の電池を用意しましたが、全部は刈れませんでした。

草を刈っている最中、いくつものカマキリの卵を見つけました。カマキリがいるということは、それなりに生態系は豊かであると推測できます。カマキリは生態系の上位にいるため、それを支える虫たちや草、微生物が活動していることの証左となります。

また、ごく限られた範囲ですが、カラスノエンドウが群生している場所がありました。この場所は窒素が固定化され、比較的肥沃になっていると考えられます。大型の草を刈る時には、できるだけカラスノエンドウを刈らないよう注意しました。

土の状態と作付計画

土の状態を確認するために、少し掘ってみました。比較的赤みがかった茶色で、さらさらした感じです。始めに借りた方の畑の土は黒く粘土質なので対照的です。土質より適した作物が変わってくるので、この2か所の畑をうまく使い分けることで、品目のバラエティが増やせそうです。

生えている草から地力があまりないと考えられるので、まずはアズキやダイズといった豆類で様子をみるのと、土質的にはジャガイモが合いそうです。ジャガイモは春作は間に合わないので、秋から作付けすることとします。今後の畝立ての進行具合と生える草の種類を見ながら作付計画を立てていきます。

畑の周辺の環境

今後この畑で作業をしていくことになるので、周辺の環境を確認しました。

まず重要なのが、木陰があるかです。真夏の炎天下で木陰がないと休める場所がなく、熱中症のリスクが高くなってしまいます。この畑は南側の敷地境界が土手になっており、その上に木が茂っているおかげで、木陰ができていました。この場所をきれいに整備すれば、休憩するのによいスペースになりそうです。

畑の周囲に何本か桜の木がありました。もう少ししたらお花見が楽しめそうです。また、秋になると落ち葉を供給してくれると思います。温床を作るほどの量は無いと思いますが、腐葉土を作ることで、育苗培土にできるかもしれません。

まとめ

新たな畑を始める機会に恵まれ、一番初めの作業として開墾を行いましたので、その様子とポイントを記載しました。畑は色々な条件により一つとして同じものはないので、それぞれの畑の特徴をよく観察しながら作業を進め、作付けしていくことが重要と思います。

その一つの例として参考にしていただければ幸いです。次回は、今回やりきれなかった草刈りの続きと、畝立てを行います。

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