草の役割

雑草は畑では厄介者扱いされがちです。少しの間放置するだけで、草でおおわれ作物の生育を阻害してしまいます。そんな草たちですが、自然農の畑では重要な役割があります。私の考える草の役割は以下の通りです。

  • 生える草の種類により土の状態を知ることができる。
  • その土地に必要な養分を供給し、土を肥沃にする。
  • 土の乾燥を防ぎ、生き物の住みかを提供する。

では、畑における草の役割について解説します。

目次

草を見れば土の状態が分かる

植物はその種類によって、適した生育場所があります。日当たりの良い場所を好むもの、粘土質を好むもの、荒れた土地でも立派に育つものと様々です。同じ環境のもとに単一または数種の植物が集まって集団になることを植生と言います。

畑でも同様で、草刈りをせずに放置しておくと、場所に応じて植生を形成していきます。そこで生えている植物がどのような場所を好んで生えるのかがわかれば、畑の土の状態がわかることになります。そうすると、その場所に適した作物を選んだり、畑の手入れの仕方に反映したりすることができます。

では、土の状態ごとに生える代表的な草を見ていきたいと思います。

荒地の草

土に養分が非常に少なく、ほかに草が生えていないような荒地には、ススキやセイタカアワダチソウのような、背が高く生命力にあふれた植物が生えます。また、ヨモギなども生えることができます。これらの植物の特徴としては、少ない養分であっても、光合成により有機物を効率よく生産できること、地下茎や宿根によりどんどんと個体数を増やすことができることなどが挙げられます。

やせた土地にも旺盛に生育することで、土壌に多くの有機物を提供し豊かにしていくことができます。しかし、これらの草が生えている段階では、育てることのできる作物は雑穀類やじゃがいもなどに限られます。

作付けする範囲の地下茎や宿根を取り除き、それ以外の場所の草を刈って敷いていくことで、次第に地力が回復し、様々な種類の野菜を作れるようになっていきます。

酸性土壌の草

酸性土壌の代表的な草といえばスギナです。スギナにはホウレンソウの100倍以上とも言われるほど、カルシウムが豊富に含まれます。カルシウムは石灰に含まれる成分で、スギナが成長した後、土に返ることにより、酸性が緩和していくと考えられます。

では、なぜスギナはカルシウムを豊富に含むのでしょうか?私自身100%信じているわけではないのですが、スギナの細胞の中で核変換(核融合)が行われているのではないかという説があります。難しい話は省略しますが、ケイ素と炭素の原子核をくっつける(核融合)と、カルシウムの原子核とまったく同じになります。ケイ素は砂の中、炭素は空気中の二酸化炭素として非常に豊富に存在するので、材料はそろっています。しかし、原子核をくっつけるというのは通常莫大なエネルギーが必要で、太陽の中や超新星爆発のようなところでしか起こりません。もしそれがスギナの細胞の中で起こっていて、土を豊かにするのに一役買っているとすれば非常に面白いのですが、信じるか信じないかはあなた次第です。

酸性土壌の畑では、慣行農法では石灰(カルシウム)や苦土(マグネシウム)を施しますが、自然農では生えた草を土に返していくことで、緩和していくと考えられます。短時間で改善したい場合は、草木灰なども有効です。酸性土壌を好む作物としては、ジャガイモ、ブルーベリーなどがあります。

普通の土の草

肥沃度が中程度の土では、気温、日照、土質等の条件によりさまざまな草が生えます。ツユクサ、タンポポ、カラスノエンドウ、イヌタデ、エノコログサなどなど、挙げればきりがありません。

結球させるキャベツやレタス、品種改良の進んだ大玉トマト、極端に酸性を嫌うホウレンソウなど以外は普通に育てることができます。

肥沃な土の草

生命があふれ肥沃の土地には、ヒメオドリコソウ、ハコベ、オオイヌノフグリなどが生えます。これらはやわらかで背が低く、地面を覆い保護します。このような草が生える畑では、ホウレンソウやナスなど、多くの養分を必要とする野菜が無肥料でも育つようになります。

有機肥料を多く入れた畑でも、これらの草が生えることが多いです。このような場所を自然農に切り替える場合には、土の中の肥料分をいったん抜く必要があります。その場合、生える草も前項の普通の土に生えるものに変わる場合があります。それでも、その時々で土に適した作物を植え、生命を循環させていけば、次第に肥沃な土に戻ってきます。いったんぜい肉を落としてから筋肉質になるイメージです。こうなれば、病虫害にも強い健康な野菜を育てることができると思います。

草は無くてはならない存在

これまで見てきたように、草はその場所に適した種類が生え、豊かな土壌に進化していくための役割を持っています。夏場は旺盛な成長力と多くの生き物たちの活動により土を肥沃にし、冬場は地面を低く覆い、乾燥と寒さから生き物たちを守ります。また、草が生えることで様々な生き物の住みか、食料となり、生態系が豊かになります。

草刈りは大変な作業ですが、草が全く生えないと砂漠になってしまいます。上記のような役割を理解することで、うまく付き合っていくことができると思います。

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