発芽育苗器の使い方と効果の検証

夏野菜の苗を自分で作るのは難しく感じます。自然農では自家採種した種を使うことが好ましいので、育苗技術もマスターしたいところです。発芽から育苗までを強力にサポートしてくれるツールの紹介をします。

目次

発芽育苗器は育苗に有効か

家庭菜園で夏野菜を苗から作る人はあまり多くないかもしれません。しかし、自然農にチャレンジする場合には、育苗にも挑戦してほしいと思います。なぜなら、自然農でできた作物から種を採ることで、自然農の環境に適した遺伝子を選抜でき、無肥料無農薬でも育ちやすくなるからです。

しかし、自分で育苗するとなると、温度管理など難しく感じてしまいます。私は10年ほど続けていますが、いまだに毎年試行錯誤を繰り返しています。いろいろな育苗方法はこちらにまとめています。

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その中で発芽育苗器があります。様々なタイプがありますが、私が使用するのは加温用のヒータと温度調節用のサーモスタットが付いた、その名も「菜友器」というものです。この有効性について検証しました。

発芽育苗器の使い方

発芽育苗器を用いた育苗に必要なものは、以下の通りです。

  • 発芽育苗器本体+サーモスタット
  • 川砂
  • 育苗トレイ
  • 育苗培土

使用方法は次の通りです。

川砂の充填

発芽育苗器の本体に川砂を充填します。これはヒータの熱をムラなく伝えるためのものです。川砂はホームセンターなどで購入できます。また育苗器本体をセットで売られているものもあります。

育苗トレイに育苗培土を充填し播種

育苗トレイは菜友器専用のものがあります。大きさがぴったりで使いやすいです。培土は自家製のものを使うのが理想ですが、大変なので市販の育苗用培土で十分です。

育苗トレイを川砂を充填した本体に設置

播種したトレイを本体の中に設置します。専用のトレイの場合、6個まで設置することができます。

蓋とサーモスタットの設置、配線

透明の蓋を設置し、切れ込み部分にサーモスタットを設置します。サーモスタットの目盛りを設定温度に合わせます。夏野菜であれば20~25℃が適温です。ヒータのコンセントをサーモスタットに接続し、電源に接続すれば準備完了です。

設置後の管理方法

発芽までの間は霧吹きで土の表面が乾かないようにします。蓋の裏側にかなり水滴がつくので、蓋を外すときには注意が必要です。

発芽した後は徒長を防ぐために、しっかりと日光に当てることが重要です。室温が15℃以上あれば、発芽後はヒータを切った方が徒長を防げます。

また、発芽後は根の成長を促すため、上から水やりをするのではなく、ポットの底から水を吸わせた方が良いです。

発芽育苗器の効果

今回は3/13に2種類のナスと自家採種のピーマンを播いて、発芽育苗器にセットしました。すると、3/18にはもう発芽が始まりました。発芽の瞬間を観察できるのも、自分で育苗するメリットです。特に自家採種した種が発芽した時は毎回感動し、作物への愛着が増します。

比較用に、育苗器に設置しないポットも用意しましたが、そちらは3/25日に発芽しました。したがって、一週間も短縮できました。また、室温での管理の場合、育苗器に比べ温度変化が大きくなってしまうため、発芽までの日数を予測することが難しくなります。

育苗のポイントは、畑に定植する日から逆算して播種することです。育苗器の設定温度と発芽までの日数のデータを把握しておけば、その計算が容易になります。

まとめ

発芽育苗器の使い方とその効果について紹介しました。手軽に温度管理ができるため、家庭菜園規模であれば、十分に効果を発揮してくれそうです。また、プロの農家さんも発芽段階までをこの育苗器を使い、発芽した後は専用の設備で育苗するという方もおられました。

自分で育苗することで、自然農の畑の環境に適した遺伝子をつないでいくことができ、何代も重ねることで、自分の育てる作物への愛着が増していきます。それを容易にしてくれるのが発芽育苗器です。

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