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自然農の畑に立っていると、ふと疑問に思うことはありませんか?
これを見ると、私たちはつい「野菜は弱く、雑草は強い」と思ってしまいがちです。
しかし、生態学の視点で見ると、これは強さ・弱さの問題ではありません。単に「選んでいる生き方(戦略)」が違うだけなのです。
今回は、植物たちの生き方の違いを「r/K戦略」というものさしで紐解いてみましょう。これを知ると、目の前の草が「敵」ではなく、畑の状態を教えてくれる「メッセンジャー」に見えてきます。
生物学者のマッカーサーとウィルソンは、生物が命をつなぐ戦略を大きく2つのタイプに分類しました。
難しい言葉は使わず、動物に例えてイメージしてみましょう。

では、私たちの畑にいる植物たちは、どちらのタイプなのでしょうか?
トマト、ナス、レタス、コマツナ……。私たちが育てている野菜のほとんどは、r戦略を選んだ植物です。
彼らの祖先は、土砂崩れや洪水などでできた「更地」を故郷としていました。
畑によく生える背の低い草(一年草)も、野菜と同じr戦略の仲間です。
彼らは野菜と同じ環境を好む「似たもの同士」です。増えすぎると場所を取り合いますが、適度な距離感なら、地表を守ってくれる良き隣人にもなります。
一方で、地下茎で広がるススキや、木になろうとする植物はK戦略です。
彼らは時間をかけて根を張り、安定した環境を作ろうとします。一度彼らのペース(安定した森のような環境)になると、変化を好むr戦略(野菜)にとっては、少し居心地が悪くなってしまいます。
一般的な農業で畑を耕すのは、人間が強制的に「環境をリセット」していると言えます。
安定を好むK戦略(ゾウタイプ)の植物には退場してもらい、畑を「r戦略(ネズミタイプ)の植物が一番輝けるステージ」に整えているのです。
だから、野菜は耕された畑でのびのびと育つのです。
では、耕さない自然農ではどうすればいいのでしょうか?
何もしないで放置すると、自然の摂理として、環境は「安定(K戦略の世界)」へと向かいます。すると、野菜は自分の得意なステージではなくなるため、姿を消してしまいます。
そこで私たちが、「草整理」でお手伝いをします。
これは「雑草との戦い」ではありません。
野菜という、変化を愛する植物たちのために、「環境をチューニング(調整)してあげる作業」なのです。
畑に草が生えてきたら、抜く前に少し観察してみてください。
草たちは敵ではなく、「今、畑がどのステージにあるか」を教えてくれるガイド役です。
その声に耳を傾けながら、野菜がのびのび育つ環境を整えていく。それが自然農の醍醐味です。
環境をチューニングする」といっても、具体的にどのくらい草を刈ればいいのでしょうか?
そのヒントとなるのが、「中程度攪乱仮説」という考え方です。
